10年以上前からレンタカーの需要は右肩上がり、高まる一方ですが、レンタカー経営は実際に儲かるのでしょうか?
レンタカー事業に参入する人は増加傾向にありますが、利益率が気になるところです。
そこで今回、レンタカー経営は儲かるのか、利益率やメリット・デメリットを解説します。
結論から言うと、レンタカー経営は儲かります。
経済産業省の資料「自動車賃貸業の動向」によると、2022年10月の速報では、1,529億700万円の売上高で前年同月と比べ+3.1%、13か月連続の増加となっています。
その中でもレンタル売上高は290億3,500万円、前年同月日+20.3%、こちらも13か月連続の増加で好調です。
一時期コロナ禍で観光客が減っていたとはいえ、また徐々に増えてきていますから、これからもますます需要の高まりが予想されますね。
このことからも、レンタカー経営は儲かる事業と言えるでしょう。
レンタカーは観光や行楽に使われやすい事業です。
そのため、観光客の増減に売上が左右される部分があります。
ならば、レンタカー事業はコロナ禍の影響を受けているのでしょうか?
実際にコロナで旅行者は減ったのか、レンタカーは儲けづらくなったのかを判断するために、コロナが始まった2019年の手前2018年から2022年にかけての旅行者の推移を表にまとめたのでご覧ください。
単位:人
参考:旅行・観光消費動向調査2018年年間値(速報)|観光庁
参考:旅行・観光消費動向調査2022年4-6月期(速報)|観光庁
訪日外客数・日本人の国内旅行数は2020年に激減していますが、2022年になりまた徐々に増え始めています。
日本人の国内旅行数は半年の数字なので、前年よりも大幅に増えていることも予測できますね。
レンタカー事業はコロナ禍の影響は確かに受けていますが、それでも伸びている事業ですので、今後も期待できると言えるでしょう。
レンタカーは観光で利用するものと思いがちですが、実はビジネス利用もされています。
レンタカーは出張先で利用することもありますし、経費削減でそもそも会社に車を置かず、必要な時にレンタルするといった使い方もできるためです。
経営不振により余計な経費を削るために社用車を廃止する会社も少なくない昨今、社用車を廃止しても車を必要とするシーンがなくなるわけではないので、レンタカーのビジネス利用も増えているわけですね。
このことからも、レンタカーの需要はますます拡大しているとも考えられ、ビジネスモデルによっては観光客には一切左右されないレンタカー経営も可能でしょう。
需要があれば儲かると考えられますが、しかし利益率によっては割に合わない可能性もあります。
レンタカー経営は、どれくらいの利益率があるのでしょうか。
利益率は、以下の計算式で求められます。
売上総利益÷売上高×100
売上総利益:売上から商品の原価を引いた利益(レンタカーで言えば、開業費を引いた金額) 売上高:売上金額の総額 |
利益率を求めるためには、まず売上総利益を求める必要がありますので、仮のレンタカー経営像を想定して求めていきましょう。
仮レンタカー 設定:車5台・スタッフ1名 車仕入れ値:100万(1台20万円) その他開業費用:500万円 ※ここでは維持費を省きます。
料金設定:1日5,000円 |
1日レンタルして5,000円とし、1ヶ月全ての車がレンタルされ続けたとします。
1日で25,000円売上が出るので、30日で750,000円になりますから、利益率を求めると「750,000÷6,000,000×100」で12%の利益率です。
これが2か月続けば25%、3か月続くと37%の利益率となります。
レンタカーは開業する際に大きな出費が必要になりますが、続ければ続ける程、利益率が上がる特徴を持っています。
ですので、うまく経営を乗せればその分、利益率も見込めるわけですね。
当然今回は簡単な計算ですから、維持費なども入っていませんし、この通りになるわけではありません。
しかし続ける程利益率が上がるのは間違いないので、しっかり続けられる計画を立てて開業することが大切です。
レンタカーを経営すると、良いことも悪いこともあります。
どのようなメリットとデメリットがあるのか、見てみましょう。
レンタカー経営のメリットには、以下のものがあります。
まずレンタカーは車種や料金設定を自由にできます。
ただしこちらは、フランチャイズに加盟していない前提の話です。
フランチャイズに加盟している場合は、開業の際のサポートなどをしてもらえますが、料金設定や車種の制限が発生する可能性もありますので、この点は注意しましょう。
また、フランチャイズに加盟していると車の入手経路も決められてることもありますので、この点も押さえておきたいポイントです。
レンタカー経営はフロント商品としても利用できます。
フロント商品とは、購入してほしい商品の前に、手に取りやすいように置いておく商品のことです。
つまり、車を購入してもらうための購買意欲促進のためのレンタカーというわけですね。
実際に乗って、購買意欲を掻き立てられる人も少なくないので、車を売ることも考えている人はこちらのメリットも押さえておきましょう。
レンタカー経営は軌道に乗れば手間がいらないというメリットもあります。
真新しいことを毎回考える必要もないので、軌道に乗せれば乗ったまま、流れるように経営ができます。
軌道に乗れば事業の拡大もしやすく、レンタルする人の需要に合わせて車両や車種を増やす事も可能なので、いずれ事業拡大を考えている人にとっては現実感のあるメリットですね。
レンタカー経営はメリットもあればデメリットもあります。
レンタカー経営のデメリットは以下になります。
レンタカー経営は、軌道に乗れば手間がありませんが、軌道に乗るために市場ニーズを調査する必要があります。
そのため開業したらすぐに稼げるわけではなく、更に地道な周知活動も必要なので、開業してすぐに稼げるようになりたい人にとってデメリットが大きいでしょう。
また、車を取り扱うのもあり初期費用も高く、任意保険料がレンタカーの場合は高いので維持費もそれなりにかかることも考えなければなりません。
多くの人が利用することもあり事故率も高いので、事故があった場合は売上が減ること、既に貸出が決まっている車の場合はどのように対応するのか考えておく必要があるなど、「もしも」に備えておく必要があります。
レンタカー経営は儲かるのか、利益率を含めた解説をしました。
レンタカー経営にはメリット・デメリットどちらもありますので、これらを踏まえた経営戦略を立てることが成功の秘訣です。
特に最初は市場ニーズをつかむ必要があり考えることも多いですが、軌道に乗せたら手間がかかりづらい・拡大しやすいといったメリットもあります。
コロナを経てもなお成長し続けるレンタカー事業は、これからも期待できる業界と言えるでしょう。
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